Saturday, July 19, 2008

素敵な待ちぼうけ

今日は、3,4年ぶりに待ちぼうけを喰らいました。
まっ、ちゃんとメールでキャンセルのご報告を受けたので良しとします。

待っている間、父も通っていたことがある某バーでコーヒーを飲んでいました。そのバーはとても歴史のあるバーで、そして、私の中でも歴史のある バーです。かれこれ、15年前からです。4年日本に帰っていないので4年を抜いて考えても、それでも11年、私はそこで独りで飲んでいます。

コーヒー2杯ほどの後、待ちぼうけを理由にいつものヤツを頼みました。バーテンダーはやはり変わっているので、もう覚えてはいませんでしたね、私 の事は。それに、ボトルももうそこではキープできないようでした。ちょっと残念ですね、でも、このご時世で、まだ店が残っているだけでも有り難いことで す。

11年前のように、素敵な音楽と美味しいコーヒーとお酒と、そしてタバコ。なんとも懐かしく、一瞬にして15年前の大切な今は亡き友人と通っていたことを思い出しました。

あの店では、二人とも無言に近かった。二人で、美味しいお酒とタバコとそして音楽を楽しんだ。当時のバーテンダーは、私が、女独りでよく飲みに 行っていたのでいつの間にか覚えていてくれて、店に入り挨拶を交わした後は、静かに私のボトルとChaserを運んでくれる、そういう店でした。

いつも2,3時間飲んで、二人で彼のバイクで帰る。本当は飲酒運転ですけど、お互いにお酒には強く、特に彼の運転には信頼を持っていたので、二人 でバイクで茗荷谷のアパートまで。大学3年になり、新宿に引越し、バイクでだったらホンの10分ぐらいの飲酒運転。多いときには、週に2,3度は静かに飲 みました。

今日、久しぶりに独りで行ったあの店は、昔と変わらずの壁、照明、そして匂い。何とも言えない思いで心がいっぱいになりました。



実はこの帰国で、私は、大切な隠れ家に3名の方をご招待することにしました。

あそこは私の隠れ家なので、チャンスは一度だけ。本人には伝えていませんが、チャンスは一度だけ。それを逃したら、また次回の帰国まで私の隠れ家 はお教えできません。やはり、私が何年も大切にしてきた隠れ家ですから・・・・・。そういいながら、チャンスを逃した方をまた誘ってしまうのでしょうけ ど・・・。

あの店は、私にとって、沢山の思い出と思いと歴史のあるお店です。独りでお酒を飲めるその大切な友人達の隠れ家にもなったらいいなぁという思いを 込めて、今回誘いました。そして私が帰国した後も、彼らは、きっと独りであの店に行くだろうと思います。私が帰国できないその間、大事にあの店を使ってく れるそんな人たちだと。

新しいお客さん達は、昔からのお客さんとは違い、周りに聞こえるようなキンキン声で話をし、音楽のうんちくを永遠と語ります。そういう方は大抵、異性を連れてのみに来ます、雰囲気がいいからでしょうね。

でも、音楽とお酒を楽しみにきている昔からのお客さんは、今日あった見覚えのある顔は、やはり、カウンターや席で独り音楽を楽しみながら、ゆっくりと好きなお酒を2,3杯飲み帰ってゆきます。

日本に住みたい理由は、あの店が理由の一つであることに、今日あの店で過ごした3時間で、心から理解しました。私にとってあそこで過ごす時間は、心にゆとりをもたらすのですね。待ちぼうけたことで、今日、私は素敵な発見をしました。

そして、本日の街で見かけた素敵な言葉は、
「大事なのは今のあなたじゃない。この先、どのくらい上を目指そうと思っているかだ。」
今の私にぴったり!
そう思いませんか?