

入江泰由記念 奈良市写真美術館
奈良市出身の写真家である入江氏を記念して建てられた写真美術館でした。美術館のドアを開けて、階段を下りると美術館は地下に広がっていました。 どうやら、近所が普通の住宅地なのを考慮して、外見からは平屋建てのように見えるようにしてあるようです。私が見たのは来月9月28日まで開催されている 大和の道という展示。どうやら、テーマに沿って、入江氏の作品の中から40点を選び展示するようです。
今回展示されているカラー写真40点のうち半数以上が縦で撮られていました。そして、どうやら彼は霧や靄を好むようで道の写真の半数以上に霧がかかっていたりしました。
気に入った「蒼古の色濃き玄賓庵への道」と言う写真は、霧や靄のなかに見える木々や枝もとてもくっきりと輪郭がわかるように撮られており、不思議 な感じがします。霧、靄の中へ引き込まれそうな感覚もありながら、その中で見える木の存在ははっきりと感じる・・・。力強い感じがします。奥へ続く道が霧 のせいか少し濡れていて、そこにも存在感を感じる。それぞれが微妙に調和している。興味深い写真でした。
「二上山への道」
全体に色はすごく寂しげなのですが、遠くに見える山々が薄っすらと見え、上手く色がグラデーションになっており、優しく感じます。写真の真ん中の 道の上に立ついっ本の木が他のものに比べて色が黒く濃いので、その木の存在を無視できません。が、その木と同じ高さのススキが道両サイドの茂っており、こ れもまた微妙な感覚。
微妙さに惚れました。
ウェブサイトに行くとオレンジピンク色の写真が出てきます。それが、「二上山への道」です。どうやら私が行った興福寺の燈花会(とうかえ)と同じものが写真美術館の前でも行われたようですね!燈花会は初めての経験でしたが、2年後もまた見たいなぁと思うぐらい素敵でした。