
昼過ぎに東京駅で親友と待ち合わせをし、一緒に昼食をとりコーヒーを飲んだ。
彼女は大学からの親友で、かれこれ15年以上の付き合いになる。あと数年で人生の半分以上を彼女と過ごしたことになる。そんな話や昔話などをしな がら、次回会うときは、大学のメンバーで先輩達も集めて飲もうと言うことになった。企画はきっと彼女がするだろう。すごく楽しみだ。
夏休みで帰省する彼女を東京駅で送り出した後、相田みつを美術館に足を運んだ。
美術館に着いたのは4時を少し過ぎたところ。閉館まで1時間と少し、やはり読み通り半分ほどしか見れなかった。そのあと、信濃町に足を運び、先日購入した写真を受け取りにいった。
とても感動したのは、購入したあの日、私が彼に話した
「写真それぞれ、一枚一枚が全く違った表情を持っている」
と話したことを覚えていてくれて、彼は何枚かその写真の写真を撮った後、いきなり壁にかかっていた、私が恋に落ちたその写真そのものを渡してくれた。
その時、私はやっぱり彼の写真を買ってよかったと思った。写真に対する思いがどこか似ているところがあるのだと感じたから。だからとても惹かれたのかもしれない。
その写真を受け取った後、もう一人友人に会い、そして居酒屋で一杯。たしかその友人と新宿で別れたのは9時半を過ぎたころ。隠れ家に寄ろうかと 思ったが、気分がとてもよかったし、大切な写真も持っていたので帰宅することにし、小田急線に向かったルンルンで歩いていたところを、見知らぬ人に呼び止 められた。
(もしかして、私なにか落としたかな?)と思い、聞いていたiPodをとめその人の言葉に耳を傾けると・・・どうやら人違いでも、落し物でもな く、とっさに声を掛けてしまったらしい。始めの彼の一言が、「なんだか不思議な感じの人だなぁと思って、失礼だとは思ったのですが、声を掛けてしまいまし た。」と・・・。
実家が客商売だから、私も接客業を長くやっているからか、大抵の人は眼を見れば変な人かどうか位はわかる。その人の眼は、キラキラした好奇心一杯の眼だった。安心して、私はその人と一時間以上立ち話をしてしまった。どうやら彼が言うには、私はいい顔をしていたらしい。
わかる人にはわかるものなんだなぁ・・・。
私にとってその日はとても充実した心地よい日だったのだ。1日のうちで2人の友人に会うことができ、写真を手に入れ、良い言葉を心に感じ・・・。 それが、オーラとしてにじみ出ていたのかは不明だが、その人の眼にはとても感じよく映ったのだろう。久しぶりに私にとって”自然な”人との出会いだった。