FujiFilmで前田真三氏の息子さんである晃氏と少し話をして、真三氏のモノクロをもっと見てみたいと話したところ、招待そして紹介された写真展のうちの一つ。
「薄雪煙る」 1978 八王子
細かい雪が空を覆っておりグレーに近い白。まだ土に近いところはあたりの風景が薄っすらと見えどうやら視界が利く。人生の中にも、こんな一瞬があるなぁと思った一枚。
「抒情の海」 1981 京都府宮津市
全体が蒼い。少しくすんだ蒼ではあるが、全体が蒼い。
なぜか蒼であるにもかかわらず、温かさを感じる。そして、静かだ。このような温かい青を私はどこかで見たことがあったが・・・思い出せない。
前田真三氏のことば
「考えることは有限だが、感じることは無限だ」
感じることは無限だから、いつも同じ場所の写真を撮っても違う写真が撮れる。そして、何も語る必要がない。考えずに撮る。感じて撮るって大事だね。
「自然は生きている
刻々と変化する自然を
出合いいる瞬間に
最もを美しくとらえる
それが私の風景写真である」
その言葉どおり、彼の写真は美しかった。
写真展の人と話をしたら、彼は写真を撮るときシャッターチャンスを待つことはなかったという。立ち止まりパシャ、テクテクテク、パシャそんな感じだったらしい。うーん、そういう人もいるんだなぁと思っていたら、真三氏のコメントに
「自然を言うものをすっかり知って友達にしてしまうと
いまどこへ行ったらいい写真がとれるか
極端にいうと”匂い”でわかる
自然が呼ぶのだ」
というものがあった。なるほど。友達になるのかぁ。
私はまだまだ知り合いにもなれそうもない。
せっかくユタに住んでいるのにね、残念だ。