Thursday, January 6, 2011

抱負とでも言いましょうか、

「よくご存知のように、人生の課程において私たちは様々な種類の苦痛を体験します」とその男は静かな、よく通る声で言った。「肉の痛みがあり、こころの痛みがあります。私もこれまでにいろんなかたちの苦痛を経験してきましたし、皆さんも同じだと思います。しかしその苦痛の実態を誰かに対して言葉で説明するのは、多くの場合とてもむずかしいことです。自分の痛みは自分にしかわからない、と人は言います。しかし本当にそうでしょうか?私はそうは思いません。たとえば誰かが本当に苦しんでいる光景を目の前にすれば、私たちもまたその苦しみや痛みを自分自身のものとして感じることがあります。それが共感する力です。おわかりですか」

村上春樹 ねじまき鳥クロニクル 第2部 予言する鳥編 1994 第7章 

わたしの痛みを理解しようと、共感しようと、努力してくれる人をわたしは大切にしたいと思います。
そして、痛みだけでなく、わたしの喜び、怒り、そして哀しみを理解しようとしてくれる人を大切にしたいと思います。そして、それらを共感することが出来るような、そういう写真を撮りたいと思います。

言葉にならない、そういう何かを伝えることができる、そんな写真を撮りたいと思います。
写真がわたしにとって、第3の言語となるよう、今年もしっかりと学びたいと思います。