あぁ、この景色を忘れたくない
そう思って一生懸命に脳裏に焼き付けようとする
でも、記憶に残るのは
少しの残像とそして感情
そして時が経つにつれ
記憶もそして感情も
情と言うものに感化され
やがて
わたしは忘れてしまう
本当はどんな景色に感動し
何を思ったか
次第に忘れてしまう
カメラをかまえる様になったじぶんは
カメラという眼を通してモノをみるようになった
いや、
まだモノまではじぶんの眼のようにはみることはできない
ここ何年も試みるが
まだこの義眼ではうまくみることができない
いくつかの義眼を試してみるが
まだどの義眼とも馬が合わない
いいや、
馬が合わないのではなく
わたしが強情なのだ
あたまが硬すぎるのだ
もう少し力を抜いて
たまにはこの義眼に身をまかせてみるべきなのだろう
義眼がわたしにどんな景色をみせてくれるのか
それを楽しむ余裕が
じつは今のわたしには必要なのかもしれない